高橋監督、やはり虚しさが残ることもあるだろう
投稿者:雷蔵 追加日:2022/05/21
美しい人妻との旅であるが、じんわりと監督に向けられる恋心という展開にいつもなりはしない。この人妻は極めてドライに割り切っていて今回のことも情をうつすというのではなく、夫への後ろめたさと、改めて夫が大切であるという思いだけが浮かび上がったようだ。本来の監督の役割はそれでいいのであるが、夫への思いを新たにした女性を見送る駅での別れは監督の大人としての言葉とは裏腹に寂しさがあるだろう。この女性にしたところで、被写体として、そのキャラクターも然り、特に申し分ないのであるが何をもってよい作品、悪い作品と考えるかという選択は難しい。エロエロを前面に押し出すという作品ではない温泉旅行等のシリーズでは、それほど単純でもないだろう。