00年代後半、AVから急速にドラマ物が消えていった。現在、いわゆる単体の王道AVでは、ドラマ物はほとんど見られなくなっている。せいぜい女教師やナース物などのコスプレを成り立たせるためのシチュエーションとしてドラマ風味を効かせているといった程度だ。
必然性のあるセックス=ドラマ
80年代 各メーカーごとにあった個性
1982年に女性の本気のオナニーをドキュメントとして撮った「ドキュメント ザ・オナニー」を大ヒットさせ、AVならではの生々しいエロ表現を切り開いた代々木忠監督も、それ以前は「愛染恭子の本番生撮り 淫欲のうずき」のような成人映画そのままのようなAVを撮っている。「ドキュメント ザ・オナニー」も、当初は物語性に欠けるということで審査で論議となったという。
その後、「ザ・オナニー」のヒットに刺激されるようにして、AVでもドキュメント物が増えていくのだが、それでも主流である単体女優出演作は、やはりドラマ物が中心だった。
80年代の第一次AV黄金期には、美少女の魅力をノスタルジックなシチュエーションと映像で描き出す宇宙企画、シュールでアングラ映画を思わせる作風が強烈なKUKI、本格的なドラマ作りを追求するアリスJAPANなど、各メーカーはそれぞれの個性でドラマ物を制作していた。
廣木隆一や望月六郎など、現在は一般映画で活躍している監督も、この時期には数多くのAVを撮影している。
この時期に話題となった作品としては、80年代を代表するAVクイーン小林ひとみの「小林ひとみ in LONDON」シリーズがある。「熱狂」「失神」「喝采」というロンドンロケ(一部東京ロケ)による三部作で、白人黒人入り乱れての乱交や金髪女性とのレズプレイも楽しめる異色の大作だ。本番NGを公言していた小林ひとみだけに、プレイ的にはソフトでAVというよりもVシネマに近い内容となっている。
90年代 単体女優作品もドラマ中心
90年代も半ばになると、セル(当時はインディーズと呼ばれていた)メーカーも台頭して来るが、まだまだ従来のレンタルメーカーが主流であり、一流の単体女優はドラマ物中心に出演するのが、当たり前だった。 後にドグマを旗揚げし、「Mド〇ッグ」などのハードなプレイのドキュメント物で一世を風靡するTOHJIRO監督も、この頃はドラマの名手として知られていた。V&Rプランニングの「あぶない放課後 新・女教師スペシャル」シリーズや、「」などの・テイストの強い作品が印象深い。また小室友里が宇宙人を演じるドタバタSFコメディの「女尻 小室友里」などは、今のTOHJIRO監督のイメージからすると、驚くファンもいるかもしれない。
00年代 VHSの終焉とドラマ物…
さて、前述の通りに00年代後半から、ドラマ物AVは急速に勢いを失ってしまう。ひとつのドラマの中にカラミがあるのではなく、短いシチュエーションのカラミ5〜6パターンで構成される作品が主流になり始めたのだ。
その理由として、AVのフォーマットがVHSからDVDに変わったことがあげられる。ボタンひとつで次のチャプターに飛ばせるDVDでは、ドラマ部分はどんどん飛ばされてしまうからだ。コーナーごとに独立した構成の作品の方が、DVDには向いていたのだ。
この頃に開催された「AVオープン」、「D−1クライマックス」といったAVイベントで、本格ドラマ物は豪華キャスティングで挑みながらも、ことごとく低調な成績に終わったことも象徴的だった。
2006年にはマックスエーが超豪華な本格的時代劇「大奥」を制作して話題を呼んだが、残念ながらそれもドラマ物の復興には結びつかなかったようだ。
人妻!熟女! ドラマ性があってこそ!
しかし、ドラマ物がAVから完全に消えてしまったわけではない。ある特定のジャンルでは、今でも主流となっているのだ。それが人妻物と物である。どちらも背景となるドラマ性がより興奮に結びつくジャンルだからなのだろう。
人妻のドラマ物と言えば、まずは長江隆美監督率いるながえスタイル。男女が交わるまでの過程と濃厚なセックス描写にこだわった作品は、見る者をグイグイとその世界に引き込んでしまう。
ディープなストーリーから、コミカルな作品まで幅広い作風のタカラ映像もドラマ作りには定評がある。中でもタカラ映像15周年記念作として作られた「CLUB TAKARA」は、全5作11時間以上という超長編ドラマ。不況の波に飲まれて潰れかけたクラブを舞台に伊織涼子、村上涼子、澤村レイコ、らタカラ映像を代表する熟女スター13人が競演するという豪華な大作だ。まるでテレビドラマを見ているような気分で楽しむことができる。
女捜査官がヤられる…!
企画モノをドラマ視点で楽しめ!
最後にAVというよりもドラマ視点で楽しめる作品を紹介しておこう。「」と「肥大化性器少女」だ。どちらもSODクリエイトの作品で前者が2008年、後者が2009年の発売。
狼に育てられた少女が高校に転向して来るという「狼少女」。キワモノAVかと思いきや、狼少女の世話を任されてしまった女子生徒と男子生徒の心のふれあいを描いた爽やかな学園ドラマに仕上がっている。狼少女が足を上げての小便シーン、裸に剥かれてのリンチシーン、全裸で山中を走り回るシーンなどのお色気シーンも、ドラマの展開上、不自然じゃなく取り入れられているのもいい。
一方「肥大化性器少女」は文句無しの怪作。宇宙人から怪光線を浴びせられた女子校生のつぼみは、なんと股間に巨大なペニスが生えてしまう。さらにラストはマンコが巨大化してしまった雪平あいとの巨大ファック! 頭がおかしくなりそうな狂気の世界を産みだしたのは、「ヌイグルマーZ」「電人ザボーガー」などのカルト映画を撮り続けている井口昇監督。
「おなら」「検便 ミユキとエリカの秘密の儀式」など90年代に井口監督が手がけたAVは、スカトロの仮面をかぶりつつも思春期の少女の心の揺れ動きなどを見事に描き出していて、見応えがある作品ばかりなのだ。
ヘンリー塚本の描くエロス 進化するドラマ!
そして、ドラマ物AVと言えば、ヘンリー塚本監督について触れないわけにはいかないだろう。
1985年にFAプロ(FAプロ・プラチナ)を設立し、現在に至るまで30年もの間、2000タイトルを超える作品を生み出し続けている伝説的な監督だ。そしてその作品は(ごく初期を除いて)全て昭和のエロスの香りがするドラマ物である。
ヘンリー塚本の凄いところは、今なお進化を続けている点だ。キャリアの長い監督は、どうしても現在は黄金期を過ぎてしまっているということがあるのだが、ヘンリー塚本に関しては、常に素晴らしい。
特にここ10年くらいの作品は、どれを見てもハズレがないといってもいいだろう。あえて個人的におすすめのタイトルを選ぶとすれば、2010年の「変態女はソレを我慢できない」。4話収録のオムニバスでどの話もクオリティが高いのだが、特に第一話の「生理が近付くとレイプされたい異常性欲妻」が圧巻だ。大越はるか演じる人妻が、隣に越してきた中年男に自分を犯させるように誘うというストーリー。ヒリヒリとした緊迫感のある演出に「あんた地獄に片足つっこんじまったね」といったハードボイルドなセリフが炸裂する。日本の映画界やテレビドラマ界を見回しても、これだけ痺れる映像を撮れる人材はいないのではないかと本気で思ってしまう。
安田理央
1967年生まれ 埼玉県出身
美学校考現学研究室卒業。雑誌編集プロダクション勤務、コピーライター業を経て1994年よりアダルト系フリーライターとして独立。80年代よりアダルト業界に関わり、現場でその変化に立ち会ってきた。好きなAVのジャンルは羞恥モノ
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