「倦怠期を解消させる夫婦の感情、再び感じ合う熱愛･･･」

パートナーがいる女の子とお酒を飲みながらガールズトークしていると、よく出てくるのがセックスレスの話。私も身に覚えがありますが、付き合って何年か経つとセックスの回数が減るってパターンは多いんですよね。どんなに熱く盛り上がってカップルになった相手でも、長い間一緒にいればそれは避けられないもの。中には付き合いだして一カ月も経たないのにいつかやってくるだろうセックスレスに怯えていたり、「一緒に住むとエッチの回数が減るっていうから」と同棲に踏み切れずにいる人も。現在セックスレスな人はもちろん、そんな心配症な女子にも是非観てほしいのが、この作品です。登場するのは、倦怠期を迎えた中年夫婦たち。でもちょっとした出来事がきっかけになって、相手がかけがえのない人だと気づき、もう一度その相手に恋をする。嫉妬、尊敬…そんな長くいると忘れがちな感情が、新鮮なセックスをするスパイスになるってことを、完成度の高いドラマで見せてくれるんです。本作に収められているエピソードは３つ。まず１組目は、家では何もしないぐうたらサラリーマン（佐川銀次）とその妻（福元美砂恵）。妻はいつもパンツ一丁でだらしなくテレビばかり見てる夫を男として観ることができなくなっている。でもある日、忘れ物を届けにいった会社で人が違うようにバリバリと仕事をこなす夫を見て、妻は胸キュン。そのうえ女性社員に「ステキな旦那様ですよね。尊敬できる上司ナンバーワンなんですよ」なんてことまで言われて、すっかり見直してしまいます。いつものようにぐうたらしている夫にラブラブモードで迫り、そのままソファで熱いセックス。妻の豹変ぶりに戸惑いがちだった夫も、妻の勝負下着姿を見ると「久しぶりに見たな」なんて言ってニヤニヤ。セックス中も終始嬉しそうに口元がゆるんでいるのが、可愛いというか微笑ましいというか。特別なプレイはないけれど、ねっとりとした丁寧な愛撫やいやらしい腰の使い方は、さすが中年といった卑猥さです。２組目は、仕事が忙しくて妻を省みない夫（小沢とおる）と欲求不満の妻（青木玲）。いつもは妻の誘いを受け流していたのに、めかしこんで同窓会に出かけていく姿を見て嫉妬を爆発させる夫。勝手なようにも思えるけど、求められればやっぱり嬉しいもの。同窓会はキャンセルし、夫と白昼からじっくりセックスを楽しみます。そして３組目は、風俗通いがバレた夫（幸野賀一）と嫉妬する妻（本庄瞳）。妻の機嫌をとろうとランチに連れていくものの、そこでも知り合いの若い女性に会ってしまい、険悪なムードに…。この話のポイントは、嫉妬する奥さんの態度。頭ごなしに怒るんじゃなく「あなたが優しい人なのはわかってるの。私もこんなに嫉妬するなんて思わなかった…」って言うんですよね。こんなふうに言われたら、そりゃ旦那さんも悪い気はしないでしょう。久しぶりの夫婦のセックスに、最後は「風俗通いは半分に減らす」とまで宣言する始末。うーん、勉強になります！実際には、こんなふうにうまくいくパターンばかりじゃないかもしれません。でも実はこの作品、中高年男性の願望を映像化するために作られた『NICEAGE』というレーベルのもの。女の側だけでなく、世のおじさまもいつまでも妻と愛あるセックスをしたいと願っているとしたら…。なんだか希望がわいてきませんか。興奮しながらあったかい気持ちにもなれる、おすすめの一本です。