匂い立つ色気&官能
投稿者:桃ゼリー 追加日:2019/12/07
久ぶりに本作を鑑賞した。何度鑑賞しても色気と官能に満ちた傑作だと感心する。これは、千里嬢の代表作と断言する。本作で営業マン役の男優と主に3度の絡みがあるが、その一つひとつに意味があり、千里嬢の異なる相貌を描く。最初の農家の納屋。営業マンの身の上話に共感した千里嬢は思わず涙を流すくだりで、立ったままの抱擁。涙しながら、静かに男優の愛撫を受けたり、唇を迎えて、やがて舌を絡め、愛の吐息を漏らすが、その情愛の高まりの過程が微妙、繊細に表現されていて、映像の流れに見入ってしまう。互いの情愛を確かめ合った千里嬢が、はだけた肌着を身繕いしながら「今度はいつ?」と問いかけるシーンは、所作に色気がこぼれるようだ。二度目は相方の泊まる宿に忍んできて、布団へと誘い込まれる。情愛が募る切なさと、愛撫に反応する声が途切れ途切れに漏れる中で、性行為は静かに進む。刹那の契りに喜び、震えるその時、千里嬢は、人知れず涙を浮かべる。よほど気持ちが入っているのだろう。切ない快感と悦楽の果てに迎える絶頂間際。千里嬢は男優を熱く見つめながら小刻みに頷く。「気持ちイイ」と言うのか「出していいのよ」のサインか。躯を繋いだ者同士の淫靡なコミニケーション。三度目の宿での絡みは、一転して激しく濃厚な性交。お互いを舐め合ったり、千里嬢が騎乗位で、腰をくねらせ、男の激しいピストンに尻を振るなど淫乱に喘ぐ。物語は、静から動に流れ、驟雨の中でまた静に戻る展開で、名演技を続けてくれた千里嬢。色気と官能、そして一貫した表現力があればこそ、顔や肢体の美しい千里嬢は、AV女優のレジェンドになれたのだと、改めて思う。