制作上の工夫が素晴らしい
投稿者:桃ゼリー 追加日:2024/05/17
全3時間もある上映時間ながら、6話も盛り込まれて入るので、一つひとつは30分の短編だ。簡単にもつくれるが、奥行きがあり、しかもきりっとした珠玉作にするのは難しい。その難問に挑み、成功した作品が一作見つかった。本編二作目の「親父と息子が娘を奪い合う」篇だ。●●●●●●と●●●●を組み合わせた、およそ短編向きではない筋立てだが、演出の工夫と熱意で、制作したレーベル名に相応しい名品に仕上がった。具体的に言うと、最初のテーマについては、夜具内での親父の娘へのアプローチが、行動の一つひとつをあらかじめ言葉で説明して、娘の恐怖心を除く配慮を重ねていいること。これによって、親父の行動はゲスいのだが、心の内は温かい愛情すら感じられてくる。そのことによって、ひどい仕打ちを受けながらも親父を慕う娘の心情も形作ることに成功した。続いて●●場面では画像を娘の局部へのフォーカスに限定して物語を進展させた。この手法は複雑且つ多岐に描かねばならないはずのテーマを美事に凝縮して表現した点で、感心させられた。ラストで、娘を大事に思う親父がただ無言で「小悪党」の息子を鉄拳一発●●つけて家からたたき出す幕切れは秀逸だった。ちなみに娘役を演じた若手女優は本編でも飛び抜けた美形で、重いテーマにもかかわらずハートフルに仕上った佳作に花を添えた。