幸せの母子●●劇
投稿者:桃ゼリー 追加日:2021/07/09
主演の翔田千里嬢は一時期のふっくら豊満度にブレーキがかかったようだ。本作では、全裸にはなっても、お腹をさりげなく隠すいわゆる「ハラマキ」衣服を身に着けなかった。この、今回の監督の演出には感謝だ。おかげで昔のように彼女の全裸ヌードを楽しむことができた。レジェンド千里嬢はこれでOKなのだ。仮にお腹がぷっくりしていたとしても、レジェンドの美貌にはなんら支障はない。我らの千里嬢は昔から変わらずに絶世の美女なのだ。本作は、息子が結婚で独立するため、二人暮しに終止符を打つことになった母子の話。別れを前にした情交という状況設定は、千里嬢が最も得意とするもので、さすがに見事な演技ぶり。別れの前の切なさを帯びた母の表現力は、細やかで哀愁が漂っていた。実はこのままのトーンで、心をのこしたままに濃厚濃密な情交を経てもなおの別離であれば、タカラ映像社の往年の哀愁漂う「たびじ」シリーズ復活であったのだ。しかし、旅の情交の結果、息子が心変わりをして恋人との結婚の方を解消、母子二人暮らしを選んだことで、母にとってのハッピーエンドになってしまった。この結末は、実は企画の競合シリーズである「母子交尾」(ルビー社)の得意とするエンディングだ。同じ禁断愛でも一方は切なさを描き、他方はあくまで楽観を貫くことで、両企画の存在意義を保っていたのだが、今回はせっかくその分野での第一人者の名優を得ながら、「たびじ」のテイスト復活の好機を手放したのは、かつての名シリーズ誕生を期待していたファンとして残念に思う。誤解なきよう申し添えるがAV作品として難点があるなどと評している訳では決してない。それ抜きで、本作の出来は一級品だ。かつての「たびじ」をどうするのかは、優れてそのレーベル自身の考え、思考次第なのだ。だから言えることは、ファンの一人としては、時には切ない禁断愛もまた見てみたいと、わがままな思いを表するだけだ。